2007年02月09日

1千トンの超巨大石柱運搬にまつわる謎 1

レバノンの首都ベイルートから北東に85キロほど走ったところに、レバノン山脈とアンチレバノン山脈に挟まれたべーカー峡谷という場所がある。


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その場所は、バールベクと呼ばれ、ローマ帝国時代の一大聖地があった場所だ。

その中心には、かつて、とてつもなく巨大な神殿がそびえたち人々の心に畏怖の念を抱かせていたと言われている。

 その大神殿は、古代世界の不思議に数えられたほどの偉大な建造物で、1千個以上の巨石を使って建設されていた。

この大神殿は、ジュピター、バッカス、ビーナスと呼ばれる3つの神殿から成り立っていた。

とりわけジュピター神殿は、途方もなく巨大な建造物で驚愕に値するほどであったという。

ここには、ローマの神々の中の主神とされる全能の神ジュピターが祀られていた。

この大神殿は、今から2千年ほど前、ローマ帝国が帝政に入って間もない頃、ローマ人によって建設されたと言われている。

 だが、残念ながら、幾度かの大地震で破壊され、今では、6本の石柱しか残っていない。

しかし、それでも一本が直径2.2メートル、高さは、優に20メートルを越す壮大な石柱を見るだけで当時の巨大さは忍ばれるはずだ。

当時は、このような石柱が54本も林立して巨大な神殿の屋根を支えていたのである。

その規模の大きさは、ギリシアのパルテノン神殿をはるかに凌駕し、見る者に大いなる衝撃を与えて止まなかったと言われている。

まさに、世界に富と権力を誇示しようとするローマ人の姿勢がそこに読み取れるものであった。
ローマ人の気質は、生真面目で粘り強く、重々しいのが特色だと言われている。

 彼らは、繊細よりも力強さ、美しさよりも巨大なもの、さらに装飾的なものより実用的なものを好む傾向があった。

 また、ローマ人は、想像力に乏しい民族とよく言われる。そのため、宗教や神々にしても、征服した国々から吸収して、自分たちのものにしていったのである。

 とりわけ、建築面では、ローマ人はギリシアの円柱やエトルリアのアーチに多大な影響を受けたようで、彼らは、これらの様式に自らの独自性を加えて、さらに巨大で実用的な建造物をつくりあげていったのである。

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バールベク遺跡の内部の様子。ギリシアのコリント様式やエトルリア文化の影響を見ることが出来る。

 しかし、この大神殿の基礎となる基壇部分は、ローマ人の手によるものではない。

確かに、神殿の石柱部分と基壇部分には、その規模からしても構造上、明らかに大きな隔たりがあるようだ。

この基壇部分は、それより、はるか以前に、セム族によって構築されたものだと言われている。

セム族とはバビロニア、アッシリア、アラブ、アラビアなどの諸民族の祖とされる民族で、彼らは、その昔、自然神バールを祀るために神殿を建設しようとしてこの基壇部分を建設したのである。

 ところが、宗教上の重要性から、この聖地はいろいろな征服者によって狙われるところとなり、激しい争奪戦が繰り広げられる運命にあった。

そして、所有者が変遷するごとに、新たな支配者の野望と権力の象徴として独自な神殿が建てられたのである。

 アレクサンダー大王によって制服された時などは、ギリシア神ゼウスを祀るための神殿が建てられたと聞く。

しかし、そこから時は流れ、350年ほど経った頃、今度はローマ帝国がこの地を制服することとなった。

時の権力者シーザーは、ローマ帝国の主神ジュピターを祀るために、それにふさわしい巨大神殿の建設を命じたのであった。

建設はシーザーの死後も幾人かのローマ皇帝の手に引き継がれて続行され、バッカスやビーナスと言った神殿が次々と建設されるに及びようやく完成に至ったとされている。

 このように、アルクサンダー大王やローマ帝国に征服されるごとに、以前のものは壊されるかして、その都度、新たな神殿として建て替えられていったのである。

しかし、その際にも、大神殿を支えることになる基壇だけは、はるか以前の、つまりセム族が建設したものがそのまま流用されたと見られている。

この基壇部分は約10メートルほどの高さがあり、いずれも巨石を積み重ねてつくられたものだ。


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 この基壇部の巨石に混じって、1個の重さが750トンという少し信じられない巨大石柱が3本積み上げられているのがある。

 この巨大な花崗岩の石柱は、それぞれがきちんと並べて積み重ねられており、今でも針一本を通すことも出来ないほどの精巧な出来ばえだ。

 これは、人々から「トリリトン」と呼ばれており、「3つの驚異の石」と呼ばれている代物である。
posted by yutanpe at 09:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 超古代の謎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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